近年、高齢化がすすむにつれ、移動の際、寝たきりや車椅子を必要とする方が年々増加しています。
それに伴い消防機関への救急搬送のニーズも増え、スムーズな対応が難しくなっている傾向にあります。
　そこで消防機関などの指導のもとに行われる民間救急患者搬送サービスの必要性が高まってきています。

　民間救急患者搬送サービスは、正式には民間患者等搬送事業と呼ばれ、消防庁の指導基準に基づいて業務が行われます。
　病院や福祉施設、または一般の方からの利用申込みにより、医療機関への入退院、通院及び転院、社会福祉施設への送迎などを行うサービスです。
　寝たままの移送や車椅子での移送が可能なので、日常的な外出や小旅行などにも利用されています。
　緊急性がない搬送ということが前提となり、利用の際は有料となります。

民間救急サービス
　民間救急サービスとは、緊急を要しない患者さんの病院間の移送や、自宅と病院や社会福祉施設への送迎などを行う民間のサービスです。
　ストレッチャーのまま乗車できる寝台型の車両で、患者等搬送乗務員適任証を取得した乗務員と救急救命士や看護師または適任証を受けたヘルパーが必ず2名以上乗車するので、寝たきりの方でも安心して利用できます。
病院間の移送以外にも、リハビリテーションや旅行などにも使われています。

民間患者等搬送事業
　民間患者等搬送事業は、一般的に『民間救急サービス』『民間搬送サービス』と呼ばれています。
　民間患者等搬送事業は、国土交通省の事業免許（許可）を取得し、必ず消防機関の認定と指導を受けることを条件に運行することになっています。
運行に当たっては、消防機関との連携体制を整え、搬送業務従事者の資格や患者等搬送用車両の構造や設備等について定められた基準を満たす必要があります。

民間救急患者搬送サービスの利用例
　民間救急患者搬送サービスは、一般的に、歩行困難な方や寝たきりの方が、寝たまま移動する、または車椅子のままで移動するなどの際に利用されています。
●病院への入院・退院・通院・転院、一時帰宅の際
●社会福祉施設などと自宅間の送迎の際
●空港や駅から病院や自宅へ寝たまま移動する際
●冠婚葬祭や引越時の外出や移動する際
●温泉治療やリハビリテーション、家族と一緒の旅行などの際

民間救急患者搬送サービス利用の流れ
　民間救急患者搬送サービスの利用の一般的な流れはつぎのようになります。
1．民間救急患者搬送サービス業者へ申込み
2．ご自宅または外出先の病院や福祉施設などへ民間救急患者搬送車両で迎えにいく
3．民間救急患者搬送車両にで搬送
4．目的地のご自宅または外出先の病院や福祉施設などへ到着